<010>追悼 プロデューサー・澤田隆治、寄席文字書家・橘右龍 「東京かわら版」に見る2021年、演芸界で亡くなった人々・その4

澤田隆治・橘右龍
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キキオです。

日本で唯一の演芸専門誌『東京かわら版』。
2022年4月号の中に「寄席演芸年鑑2022」という部分があります。
これは、昨年2021年の寄席演芸界でなにが起こったか網羅している貴重な資料です。

というわけで今回は、その中にある「2021年笑芸関係の物故者」から、昨年お亡くなりになった方について、個人的な思い出を中心に書きたいと思います。
個人的な思い出も含めて書きますので、すべての方を網羅はできません。
かなりざっくりとピックアップしました。
すみません。

今回は、その4回目。
芸人ではなく、裏方として存在感のあった方、お二人をご紹介します。

たくさんの方々が亡くなるのは寂しいし堪える。
皆さまのご冥福をお祈りします。

なお、演芸専門誌『東京かわら版』については、別記事を作成予定です。

(文中、敬称は略させていただたます。)

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澤田隆治(プロデューサー)

澤田隆治(さわだたかはる)、5月16日。
88歳没。

今回の一連の記事の中でも澤田は異色だ。
芸人ではないから。

しかし、日本の笑芸史を語る上では、超が付くくらいの重要人物だろう。

澤田の肩書きはなんと言えばいいのか。
やはりテレビのプロデューサーだろうか。

おそらく日本国民、今35歳以上で澤田が関わった番組を観たことがない人はいないと思う。

代表的なものを挙げても…
『てなもんや三度笠』『新婚さんいらっしゃい!』『ズームイン!!朝!』「花王名人劇場」などなど。
たくさんあります。

ここのところ、芸人のYouTubeへの進出がすごい。
江頭2:50だったり、とんねるずの石橋貴明であったり。
テレビは苦しい時代にいると思う。
もちろん素晴らしい番組、バラエティ番組もある。
でも「コンプライアンス」の一言で、また昨今の世の中の事情で苦しい立ち位置にいる芸人やプロデューサーら製作陣は多いと思う。
(実際に動画内でも江頭2:50が「コンプライアンスって言葉、大嫌い」と発言していた。)

昭和から平成にかけてテレビで大きな動きを作ってきた澤田隆治。
その死はテレビの時代の変化の中での大きな出来事として、わたしに刻まれました。

橘右龍(寄席文字書家)


寄席文字橘流、寄席文字書家。
9月17日。
67歳没。

寄席文字。
馴染みがないだろうか。

寄席や落語会の外の筆で書かれた文字。
また、舞台上に名前を表示する「めくり」の文字。
落語会などのチラシの文字。
落語に少しでも興味を持った方は、必ずどこかで目にしているはずだ。

右龍の師匠、橘右近が、先代の8代目桂文楽の勧めで「橘流寄席文字家元」に昭和40年になったと聞いている。
右龍は右近の弟子である。

寄席文字についても記事を書こうと思っているのだが、演芸に触れたことが少しでもある人は必ず目にしている、いわば縁の下の力持ちなのが寄席文字書家である。

右龍は、わたしの知る限り、とても論理的な考え方をする人だったようだ。
極めて理論的な寄席文字講座をやっていた、と聞くとすごく納得する。

寄席文字と言うのは、お客さんがたくさん入るように、白い部分をできるだけ少なく、空間いっぱいに書かれる。
浅草演芸ホールを中心に右龍の文字をわたしはどのくらい目にしただろうか。

理論家であり、また師匠、橘右近研究の第一人者でもあった。

わたしは寄席文字と言う文化が好き。
ずっとずっと伝わっていって欲しい。

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最後に

数回に渡って、雑誌『東京かわら版』2022年4月号に載った2021年に演芸界で亡くなった人について思い出を書いています。
今回は、その4回目。
演芸を陰で支えた重要な人をご紹介しました。

お二人のご冥福をお祈りします。

書くたびに寂しさを感じますが、まだまだ更新したいと思いますのでよろしくお願いします。

キキオ

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