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キキオです。
日本で唯一の演芸専門誌『東京かわら版』。
2022年4月号の中に「寄席演芸年鑑2022」という部分があります。
これは、昨年2021年の寄席演芸界でなにが起こったか網羅している貴重な資料です。
というわけで今回は、その中にある「2021年笑芸関係の物故者」から、昨年お亡くなりになった方について、お一方ずつ取り上げて、個人的な思い出を中心に書いていこうと思います。
今回はその2回目。
たくさんの方々が亡くなるのは寂しいし堪える。
皆さまのご冥福をお祈りします。
なお、演芸専門誌『東京かわら版』については、別記事を作成予定です。
(文中、敬称は略させていただたます。)
一龍斎貞山(講談師)
8代目一龍斎貞山。
講談師。
5月26日。
73歳没。
この訃報は驚いた。
後述する、神田伯山のYouTubeチャンネルでの対談を拝見したばかりだったので。
わたしは、今は落語に主軸を置いているけれど、実は演芸への入りは講談だった。
いずれ講談についてはいろいろな記事を書こうと思っています。
一龍斎貞山。
講談に触れ始めた頃から、この名前は大きなものでした。
もちろん生で触れられたのは、8代目のみでしたが…。
8代目貞山の実父、7代目貞山は「おばけの貞山」という異名がある人。
6代目貞山は、「水道の蛇口」とそれぞれ異名があった。
8代目に感じていたのは、格式。
本当にかっこよかったのだ。
また講談の中で古典と言われるものをたくさん聴けた。
それはとても講談そのものの勉強になったし、世界が広がった気がした。
赤穂義士伝や大岡政談などがとても印象に残っている。
一龍斎貞山には、3代にわたり、講談と言うものを勉強させていただいた。
新しい世界をたくさん見せてもらえた。
まだまだ早かった、と思う、8代目の死。
すごく残念です。
神田伯山公式YouTubeチャンネルでの対談
神田伯山との対談は、非常に興味深いので、前編後編と長いですが、よろしければどうぞ。
動画の中で伯山も言っていますが、父は7代目貞山であり、義父は6代目神田伯龍。
伯龍が8代目貞山の師匠。
つまり、8代目貞山は一龍斎の流れも、もともとの神田派(現在残っているのは2代目神田山陽の流れの人々)両方を受け継いでいる稀有の人である。
講談の世界の変化
今、6代目神田伯山の人気がすごく、講談を聴き始める人が確実に増えているはずだ。
伯山の襲名披露興行では、新宿末廣亭には徹夜の行列ができた。
2011年に講談の定席(じょうせき)、上野の本牧亭が閉場してしまった。
現在は、常に講談をやっている、いわゆる定席はなくなってしまった。
21世紀に入ってから、講談師の口から「講談師の人数は都道府県の数ぐらい」と言う発言を良く聴いた。
それぐらい講談の世界は危機的状況にあった。
しかし、現在、伯山の人気をきっかけに、少し活気が戻ってきているのではないか。
講談がどんどん多くの人に届くようになってくれれば、一講談好きのわたしとしてはこれほど嬉しいことはない。
その輪の中に8代目貞山がいないのは、本当に残念としか言いようがない。
ご冥福をお祈りします。
「講談」と言う演芸については、解説した記事を書こうと思っているので、お楽しみにお待ちください。
最後に
数回に渡って、雑誌『東京かわら版』2022年4月号に載った2021年に演芸界で亡くなった人について思い出を書こうと思います。
書きながら寂しい気持ちになりますが、わたしの記憶には残り続けます。
続々更新したいと思いますのでよろしくお願いします。
キキオ
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